同じようにマニュアルで研修を受けてもどれだけ自分のものにするかで、セラピストとしての成長が変わってきます。
そして自分のものにするためには、同僚との施術練習に自分が感じたことを率直に話して、やってみるという姿勢があると伸びやすいです。
これはセラピストに限った話ではないのですが、自分がどう思うか?は常に持っておいたほうがいい。
もちろん、何もわからない最初の一年目はまずはマニュアルに沿って愚直にトレーニングを積んでいくしかありませんし、店舗のオーナーである私もそのようにしてほしいです。
そして慣れてくると、これまで自分では気が付かなかったところに注意が向くようになってきます。お客様との会話はこれまで精いっぱいであまりうまくできなかった。
少し施術に慣れてきて考えなくても体が動くようになってきたので会話やコミュニケーションでもっとお客様と波長を合わせようとしたけれども、それがうまくいかない。
声が大きいお客様で楽しくおしゃべりをされているので、相槌を打ちながら施術をしたいのだけれども、隣のお客様がもしかしたらうるさいと感じてしまうかもしれないので、そのバランスが難しい。
今までは困ったらもみほぐしをおすすめしていたし、自分もその施術を中心に提供してきたけれど、すべてのメニューを一通り習得してからはどの施術をお客様に提供しようか悩む。特になんでもいいです、というお客様に満足していただいて次回も利用していただくにはどんなコースを提供すればいいのか。
細かいことに気が付くようになったのはセラピストとして成長している証です。
人間の脳では都度考えてできることに限界があります。最初は手順通りやるのに必死で、それ以外のこと考える余力がありません。
そのうちセラピストとしての基本動作、施術で頭ではなく体で覚えてきたことが自然に出るようになると、頭で考えられることが次第に増えていきます。
そうなってきたときに、自分なりの考えをもって施術の反省点を次回に活かすため相談するときに、「自分はこう思うんだけどどうか?」ということを持っていると成長が早いです。
人に同じ相談をするのでも、全くわからない状態なのか、それとも自分なりの答えを持っていてそれを確認する、違う方向からの意見を求めるのか、というのは普段から考えていることが違います。
改善点は、自分の施術の気づきだけではありません。店舗のオペレーションを見ている間に、気が付いたことがあれば積極的に周囲に発信できる人は伸びていきます。
オーナーである私としては、そのセラピストの技量上達をみながら、なぜそう思うのか?そのセラピストとしてはどうしたいのか?をまずは本人から引き出してから、自分の考えをお話ししていきます。
ですから、当店で働くセラピストには、「〇〇さんはどう思う?」と問いかけることが多くなります。なるべく自主性を発揮して働いてほしいからです。
もちろんお金がかかるものは経営的な観点から必ずしもゴーサインを出すことができません。予算の範囲内でどうすればよりよい店舗になるのか?は常に私も考えていきます。
セラピストとしての成長には自分なりの考え方を持っていることは欠かせませんし、店舗の運営でも考えは大事です。一緒に良い店舗になるように協力していきましょう。